こんにちは!2DCGプラネットスタジオ アニメーションチームのKです。
2Dアニメーション領域での就職を目指す方に向けての記事の第二弾です。
今回は「ゲーム業界におけるLive2D作品」のポートフォリオについてお話します。
これからポートフォリオを作成される方は、ぜひ参考にしてみてください!
求められるLive2Dスキルとは?
Live2DはVtuberを動かすためのソフトとして知られている方も多いと思います。
ゲーム業界ではVtuberに限らず用途に応じた作品制作のスキルが必要となります。
Vtuber一本に絞ったポートフォリオでは思った評価に繋がらないことも。
就職を目指されている方がスキルを余す事なく伝えられるよう、
Live2Dの「アニメーション作品」「Vtuber作品」の両軸から解説していきます。
今回の記事は「クリーク・アンド・リバー社のアニメチームの採用担当からの観点」ということを念頭に置いて読んでいただけますと幸いです。
アニメーション作品に関するポイント
ここではLive2Dのアニメーションモードを使用した作品を指します。
具体的には、立ち絵モーション、スチルモーション、アニメ風映像などですね。
ゲーム内に組み込まれているものや、プロモーションムービーで見るような作品が参考になります。
Live2Dではアニメーションを1つ制作するために、
モデリングモードからアニメーションモードへ切り替えて使用する必要があります。
そのため、モデリング・アニメーション両方のスキルを見せることができます。
採用担当がチェックするポイント
①アニメーションの基礎ができているか
自然なアニメーションを作るスキルは短い動画からでも伝わってきます。
タメツメや予備動作などの押さえておきたいポイントは、
「アニメーションの12原則」が分かりやすく参考になります。
②キャラクターらしさの表現と作品ごとに動きに違いが出ているか
性別や性格、感情が伝わってくる…など、
モーションでキャラクター性が伝わる作品はよりスキルの高さが感じられます。
1作品だけでなく複数の作品で様々な表現に挑戦してみてください。
③モデリングの精度
短い作品でも立体感や揺れもののクオリティも見ています。
もしモーションの中で最大限の可動域を見せる事が難しい場合は、
編集データの提出を検討しても良いかと思います。
立体感や揺れもののモデリングの精度以外にもデータの綺麗さなど、
映像のみでは伝えきれない強みも採用担当に伝える事ができます。
クオリティアップのヒント
下記の作品や技術情報からご自身の作品にエッセンスを取り入れてみてください。
・商業作品(ゲーム、PVなど)
・TVアニメや3Dアニメの技術
Live2Dで作られたアニメーション作品の技術に限らず、
様々な領域でアニメーションに関する技術の情報を取り入れる事ができます。
「魅力的なアニメーション」のためにツールを超えて情報収集してみてください。
VTuber作品に関するポイント
SNSや動画サイトでVtuberモデルの紹介をしている動画がよく見られますよね。
ここでは前提として「トラッキングソフトを録画した作品」を想定して解説します。
採用担当がチェックするポイント
①モデリングの精度
Vtuberのモデルの場合は可動域の広さ、立体感の綺麗さ、揺れ形状の綺麗さなど、
モデリングする箇所一通りの精度を確認しています。
トラッキングで使用するLive2Dモデルはどの角度も長時間みる可能性があるため、
立体感の綺麗さはよりこだわりたいところですね。
②新技術への興味
ギミックや表情差分などプラスαの表現もチェックしています。
①のモデリングの精度を高めた上で、
新技術への興味を感じる作品からはチャレンジ精神をより強く感じられます。
③手付けアニメーションのスキル
Vtuberモデルの特性上、トラッキングソフトで動かした映像を提出いただく事も。
立体感や揺れ、ギミックなど…一見取り入れた工夫は伝わるように感じられます。
ですがゲーム業界では「アニメーション制作スキル」も重視しています。
ポートフォリオ内に他にアニメーション作品が無かった場合は、
重要な評価ポイントを一つ落としてしまう事になります。
Vtuber用途の作品でも手付のアニメーションを制作するなどでクリア可能です。
クオリティアップのヒント
上記の①~③でVtuberモデルのポートフォリオで伝えたい魅力、
注意したいポイントが伝わったかと思います。
クオリティの面では商業作品を参考にすることで就職に繋がりやすくなります。
作品のクオリティをチェックする際のチェックポイントをまとめました。
①パーツ同士のズレや破綻が無い事
お仕事では原画の印象が変わらないよう、
パーツ同士のズレには注意してモデリングします。
ズレない所はずらさず、立体感の表現としての意図的なずらしは視差になります。
細かい所にまで拘ったモデリングになっていると、
技術の高さを感じるポートフォリオになります。
②全身にこだわりが見せられるか
顔だけでなく体の可動域までしっかり作られている作品は好印象です。
全身の動きに対して揺れものの動きの大きさのバランスが良いかも見ています。
全体の印象と細部へのこだわり、両方の視点で作品をチェックしてみてください。
③キャラクターデザインの幅
性別や性格によっての立体感や動きに幅が出ていると幅の広さを感じます。
同じ要素のキャラクターのみだけでなく、様々な表現にチャレンジした証を見せてみてください。
編集データに関するポイント
cmo3データやcan3データの提出が可能なら動画と合わせて提出もご検討ください。
クオリティを直に感じられることや、整理されたデータが作れるかも伝わります。
会社では複数のメンバーがデータを扱う事も多いので、
誰から見ても分かりやすいデータ作りが出来る事もプラスポイントになります。
◆まとめ
今回は「ゲーム業界におけるLive2D作品」に焦点を当ててご紹介しました。
2Dアニメーション業界を目指す皆さんの参考になれば幸いです。
前回は「ポートフォリオの構成とイラスト」についての記事も投稿しているので
ポートフォリオの充実に繋げてみてください!
▼ポートフォリオのススメ 第一弾
次回は「Spine」についても詳しくご紹介していく予定ですので、お楽しみに!
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